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内定取り消し

企業から内定取り消し、本採用拒否などにあった場合の対処方法、損害賠償請求について調べました。

内定は労働契約自体は成立していると同じ

この問題について、まずは内定取り消しを法律の面からみてみましょう。

内定とは、法的には「就労(効力)始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれます。

「就労始期付」とは働き始める時期をあらかじめ指定することで、「解約権留保付」とは雇う側、雇われる側の双方に解約権があるということをあらわしています。

解約権という条件はついていますが、契約としては成立しているということです。

したがって、労働契約自体が成立しているため、解雇と同じように考えられ、安易になかったことにはできません。

また、合理的な理由がないと、「解約権留保の趣旨、目的に客観的に照らして合理的で社会的に相当」を除いては内定取り消しはできません。

内定取り消しが有効とされるのは、「単位が不足して卒業できなかった」「会社自体が社員をリストラしなくてはならないような、業績悪化に陥ってしまった」、あるいは「内定者が単位が足りず学校を卒業できなかった」「学歴や経歴に重大な詐称があった」「刑事事件を起こした」といった場合にかぎられます。

内定取り消しが社会的に相当でなく違法と判断されると、「内定が有効となるので、その会社に就職することができる」という理屈になります。

とはいっても、裁判で争った会社に入社しようとする人は稀でしょうから、内定取り消しを受けた側としては、違法な内定取消しを理由として損害賠償を請求するという動きになります。

内定取消しに関する判例では、「逸失利益(入社したら得られた給与相当の金額)」「慰謝料」などが認められています。

内定取り消しのトラブル解決事例

■Mさん(20代女性)の場合

大学を卒業後、6年間メーカー会社に営業職として勤務したHさんは、あるホテルに転職したが、勤務開始から60日経過した頃、人事部から「試用期間満了による雇用契約終了通知」と記した書面を突き付けられた。

確かにホテルの就業規則には3ヵ月の試用期間が定められており、入社にあたって説明があったため承知はしていたが、会社から契約終了の理由とされた「Mさんの勤務態度に問題がある」という認識は、まったく同意できないものだった。

そこで、Mさんは弁護士のもとへ行き、事の経緯を伝えて、「解雇には納得いかず、やっと見つかった転職先なので復職したい旨を相談した。

弁護士は事実関係をもとに、「解雇理由がないこと、本採用拒否は無効であること、よって復職を求める」という旨の再回答書を送付したが、会社が交渉に応じる姿勢を一切見せず、そのため労働審判を申し立てることをHさんに提案した。

労働審判では1回目の期日で歩み寄りがなかったが、裁判官からは「内定取消しを有効とするのは困難だが、復職は現実的ではなく、解決金で和解することはできないか」との打診があった。

会社側の対応にひどく失望したため、復職の意思が薄れたHさんが、弁護士と相談し、裁判官の調停を受け入れることとし、給料5ヶ月分を解決金とすることで和解した。

⇒ 内定取り消しで悩んでいる場合に頼れる弁護士事務所リスト

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